言葉の意味として「ジュニア」の反対でもある「シニア」。
このシニアには、「高齢者」や「年長者」という意味だけではなく、「上級」や「上級者」という意味も含まれます。
つまり、シニアとは「プロフェッショナル」なイメージを持つ言葉なのです。

15歳も65歳も大人になったら「シニア」
日本を含め世界では、生まれたばかりの新生児から5歳までを「乳幼児」としています。
そのあとの6歳から14歳までを一般的には「児童」として区分していて、これが「ジュニア」に相当します。
つまり、大枠では15歳以上が「シニア」になるということ。
そのため、14歳まではジュニア大会に、15歳になれば「シニア」の大会、つまりオリンピックや世界大会に出場できるようになるのです。
しかし、日本の場合はもう少し細かく区分されています。
15歳から64歳までを「青年」や「壮年」、そのあとの65歳からを「前期高齢者」、75歳以上になると「後期高齢者」と分けています。

ところが、白髪が多かろうがシワが増えていようが、
仕事をしていたり会社勤めをしていたりするなら「高齢者」とは呼ばれないと感じている人が意外と多いもの。
つまり、定年、もしくは60歳から65歳を過ぎたくらいが「高齢者」と呼ばれるかどうかが目安のようです。
そのため、定年を意識し始めた頃から「高齢者」と扱われるようになったと感じる人が少なくありません。
余計に気になり始める「高齢者」という表示。
定年後は自動的に「高齢者」として扱われるということになってしまいます。
とはいえ、15歳まで遡らなくても、定年=高齢者という区分は納得できない、という人も多く、
気持ちの上ではまだまだ「高齢者」に入りたくないという本音があるのです。
世界では「高齢者」より「上級者」

どんなに若いつもりでも、日本では65歳からが「高齢者」。
世界でも、UN(国連)では60歳以上、WHO(世界保健機構)では65歳以上が「高齢者」として区分されています。
しかし、世界で「シニア」という言葉が使われると、引退間近の「高齢者」ではなく、現役バリバリの「年長者」を指すことが多いもの。
やはり、14歳までの「ジュニア」と15歳からの「シニア」の区分イメージが強いのかもしれません。
ジュニア時代よりも、人生に磨きがかかり、豊富なの知識やさまざまな経験を持つ年代。
マネージャー(部長)という肩書でも、「シニア・マネージャー」と「マネージャー」では大きく異なります。
この場合のシニアは「高齢者」ではなく「上級」です。
これが、世界でいう「シニア」の本当の意味かもしれません。
シニアの持つ魅力は「上級」クラス

突然ですが、スキー場に行ったことがありますか。
スキーやスノーボードを初めて楽しむという人や慣れていない人は、初心者コースやビギナーコース。
慣れてくると中級者コースや林間コース、斜度のあるコースでの滑走を楽しみます。
さて、「上級者コース」という表示を見るとどんな人が滑っていると思いますか。
もちろん、フォームも綺麗でテクニックを磨いたプロフェッショナルなスキーヤーやスノーボーダー。
さらに、斜面に慣れたのでコブ斜面をクリアしながら、勇気を出して滑走していく人。
ときには滑走年数は少なくても、滑る回数が多く上達の早い若者。
長年滑っているので上達している人もいれば、ある程度の経験からさらにテクニックを磨きたい人もいる。
これが、「上級者」ではないでしょうか。
「シニア」という言葉は、まさにスキー場でいう「上級者コース」を滑る人たちのイメージがぴったり。
新入社員や成人したばかりの人の仕事の仕方が「初心者コース」なら、
経験を積み始めた人から経験が豊富な人までが「上級者コース」になるでしょう。
知識や経験があるから「シニア(高齢者)」

今までは、50歳を過ぎて60歳が近くなると「高齢者」というイメージが強かったかもしれません。
知識や経験を積み重ねると、間も無く定年になってしまう。
しかし、それでは持っている知識や経験が埋もれてしまいかねません。
年を取ったから「シニア」になったのではなく、知識や経験があるから「シニア(上級者)」になった。
シニアをそんなイメージに変えてみませんか。